2014年 06月 04日
英 デイリーメールのトレーシーメソッド批評 |
この記事、アクセス数がすごく多かったのです(自分比)。賛否は別として、多かれ少なかれ、みなさん気になるのでしょうか。
ということで、今回も私の自己満的な、しかも長い記事ですが、拙い訳でまた書いてみたいと思います。
まず、件の記事のKATYさんとDREさんという方のコメントからです。
KATY
「トレーシーアンダーソンのメソッドは、なんとも疑わしい。そればかりか、あのようなエクササイズで筋肉がつけられると思わせて、女性を甘やかしているわ。このような迷信が今なおあるということにショックです。そんな簡単に筋肉を付けられたら、みんな簡単にボディビルダーになれてしまうわ。
それに、私はある非常に興味深い記事を見つけたのです。それは、2011年3月11日のイギリスのデイリーメールに載っていた、医師と栄養士によるトレーシーメソッドの批評記事で、「グウィネス・バルトロウの体になれた!でも、餓死しそう・・・」というタイトルでした。これを読んで、どうしてこんなものを試したい人がいるのか信じられないと思ったわ。今では、継続的できちんとした食事とエクササイズが最も道理にかなっていると理解しているけれど、私もかつては、様々なイカサマダイエットをしてきたので、そういう流行のダイエットに踊らされてしまうのも分かるけど・・・」
DRE
「私もそのデイリーメールの記事を読んだわ。たしか、栄養士がトレーシーの食事プランを計算したら、1日たったの700kcal しかなかったの。もちろん、糖質、たんぱく質、脂質、塩分、どれもが不足していた。これでは体を壊してしまうわ。」
私:ちょっと待って!!そのデイリーメールの記事、気になるーー!
ということで、早速、気になるそのデイリーメールの記事を読みました。再び私の拙い訳で恐縮ですが要訳してみたいと思います。
(画像はデイリーメールの記事から)
「グウィネスの体型になれた!・・・でも餓死しそう」
By レベッカ・ウィルコックス
トレーシーによると、グウィネスのようになるには、1日2時間のエクササイズを週6日、食事もトレーシーのプランに従わなくてはならないの。こんなのできる余裕のある人なんているのかしら?って思ったけど。とにかく私は、トレーシーの最新のDVDボックスセット「メタモフォシス」を買ってやってみることにしたのです。まず最初に30日間メソッドがあって、それが終わると90日間メソッドが続いてあります。30日間メソッドでは、1日3時間のエクササイズをしなければならなくて、90日間メソッドではそれが1時間に減ります。
トレーシーは、ランニングなどの同じ動きを繰り返す有酸素運動は、筋肉をバルクアップさせてしまうから反対だと言っています。
まぁ、エクササイズだけならまだ耐えられるんだけど、食事プランがキツイのよね・・・。何しろ、最初の1週目に許されているのは、たった7つの食べ物だけ。それもほとんどミキサーにかけられたものだったわ。その中に、ケール、ほうれん草、ビートルート、リンゴから作るパワージュースなるものがあるのだけど、これがクッソまずくて、何度か吐いてしまったの!だから、これを飲むときはいつも念のためシンクの前で飲んでいたわ。他には、スイートポテトコーンプディング、キャロットとパースニップのピュレ、ブルーベリーとリンゴのスムージー、ガスパチョをスムージーにしたもの、そして、夕食はめずらしくミキサーにかけられていないチキンと野菜のスープ。
夕食のチキンと野菜のスープ以外、ほとんど食べ物を噛んでいないから、食べた気もしなくておなかがすいてたまらなかった・・・。
そして、3週目の食事はまたスムージーに戻るのです・・・。全ては、焼く・蒸す・茹でるかで、パンやパスタ、芋、お米などの炭水化物は禁止されていました。そして、油もなし、乳製品もなし、塩もなし、赤身の肉もなし。
こうして私は30日間メソッドを終えて、90日間メソッドに突入していました。
結果はというと、サイズ12から10になれたわ!
そして、悪い結果もあったわ。
気分はいつもだるくて、集中力もなくなっていたし、疲れていた。お肌の調子も悪いし、爪も弱くなって欠けて、とにかく元気がなくなってしまたの。
毎日、体重計に乗って、10日ごとにトレーシーテープでサイズを測っていました。初めはこれがイヤだったんだけど、いつしか、体重を計るまでは何も食べることも飲むこともしないくらい、体重に執着するようになってしまったのよね。
トレーシーは、この食事プランの1日の総カロリーや脂肪の摂取については何も言及していなかったので、私は、ロンドンのセント・ジョージ病院の栄養士、キャサリン・コリンズのもとへ、記録を持って行ったのです。結果は、非常にショッキングなものでした。
彼女曰く、私はこの2ヶ月、1日たった700kカロリー で生きていたのだ、と。だるかったのも当然だわ。彼女にとても心配されました。「まるで拒食症患者のようだ。カルシウム、鉄、糖質、たんぱく質、塩分が不足していて免疫が抑制されている。」と言われました。
続いて言われたのは、「このようなダイエットをすると、低ナトリウム血症のリスクを高めます。また、鉄分が非常に少ないので、貧血、そして筋力と消耗のバランスに問題を引き起こす。さらにカルシウムの吸収が欠如しているゆえに、(1日 800mg 必要なところ、300mgにも満たなかった。)骨粗しょう症のリスクを高めます。
(事実、グウィネス・パルトロウは2010年に初期の骨粗しょう症と診断されている。なんと皮肉な!)
たんぱく質の摂取量も少なく、1日1.7oz以下です。これも長引けば危険です。また、様々なビタミンも、脂質がないがゆえに吸収できずに排出されてしまっています。」
メタモフォシスの一環として、メタモフォシスのウェブサイトのチャットルームへのアクセス権があるのだけど、そこでは、参加者がお互いに助言しあったり励ましあったりしていました。「食事プランを実践しない、あるいは部分的にしか実践しないのなら、結果は約束できません。」とトレーシーは書いていましたが、あの食事プランは心配だとして、エクササイズだけを実践している女性達もいました。
私はそのチャットルームで、みんなを心配して良識のあるコメントをしたのだけれども、「トレーシーを信じなさい!」と厳しく返されました。後に私のコメントは削除されていました。
栄養・健康調査評議会のスーザン・イエブ医師は、驚きもせず、「そりゃ、1日700カロリーしか食べていなきゃ痩せるわよ」と言いました。そして、「肥満でもないあなたが、このようなダイエットをするべきではないです。」と。
イェブ医師によれば、エクササイズをしているなら、私は自分の体重を維持するためには1日2400カロリーくらいとるべきで、1日1000カロリーの欠如では1週間で2パウンド(約900g)体重が減っていくのだと。このトレーシーの食事プランでは1700カロリー足りない。また、このような極度なカロリー制限のダイエットは医師の管理下でなければ危険だと言われたわ。
このようなカロリー摂取の状態が続けば、1週間に4パウンド近く体重が減っていくことになる。栄養士のコリンズが言ったように、消えたのは脂肪ではなかった。なぜなら、トレーシーのようなエクササイズをする場合は、たんぱく質の摂取が1日に2.1オウンス以下だと、必要なたんぱく質を腎臓、肝臓、心臓などから分解して使うことになってしまう。拒食症患者が心臓発作で死亡する原因もこれである。また、糖質も全く足りておらず、この状態でエクササイズをすると、筋肉は分解され、内蔵機能も低下する。
ブライトン大学の生理学の教授、ジョン・ドーストは、トレーシーのエクササイズに目新しいものは何ひとつないと言った上で、「彼女は、遺伝的特徴に関係なく、誰でも筋肉の構造を再構築できると主張しているが、それはありえあない。人間は筋肉を発達させることはできるが、持って生まれた特徴を無視することはできない。」と言った。
私は、トレーシーのプログラムを始めたとき、トレーシーに夢中になりみんなにそれをおしえてあげたいくらいだったけれど、今は自分がどんなに間違っていたかと思っているわ。エクササイズ自体は気の向く限り続けるつもりだけれど、トレーシーの食事法はもちろんやめたわ。
トレーシー側に、私の報告について意見を求めましたが、回答は今もまだありません。
・・・・・仕事がらみとは言え、レッベカ、良くやったな!
私、トレーシーメソッドがどんなものなのかYouTube で見てみました。珍しい腕の動きが印象的でした。また、近所の本屋に行って、本とか見てみようかなと思って行ったのだけれど、DVDが1種類あるのみで本は置いてなかったです。
トレーシーの食事メソッドに関しては、上記の記事の通り危ないなという感じです。そして、エクササイズに関しては、YouTube で何本か見ました。全く運動する習慣がない人が、運動を始めるきっかけとしてはいいと思うし、運動そのものは健康のためにもいいと思います。(ただ、あのエクササイズで目に見える効果があるかと言えば、それは難しいと思います。)
Alfonsoさんの記事のコメント欄にはトレーシー愛好者の方々もかなりいました。彼女らは、トレーシーのエクササイズはハードだと主張していました。しかし、Alfonsoさんは「ハードだからと言って、決して生産性があるわけではない。」と答えていました。この言葉、端的によく言い表しているなと思いました。
エクササイズをする目的は、人それぞれだと思います。体を動かして気分をリフレッシュできればOKという人もいると思います。しかし、トレーシーメソッドをやっているほとんどの女性は、スタイルが良くなりたいのだろうと思います。しかし、スタイルが良くなることと体重が減ることは決してイコールではないし、ましてや、あのような食事プランで体重を減らすなど危ない・・・。
さらに、トレーシーは、女性はワークアウトで3パウンド以上の重さを扱うべきじゃないと主張しています。(これにはびっくり!!)ウェイトトレーニングをしている人ならご存知の通り、女性であろうが3パウンドくらい重量や自重のワークアウトだけで、且つ、食事もよほどを意識して変えないうちは、筋肉ってまず付かないと思います。(トレーシーのワークアウトで筋肉付けられるなら、私、60kg担ぐ必要ないぜ! )
また、サイズダウンしたからと言って、必ずしもスタイルが向上したというわけではないですよね。写真の左より右の人の方が、ジーンズのサイズは上でしょう。
でも、私、すごく不思議に思ったことがあるのです。
それは、トレーシーメソッドで、効果があったと主張する人々の多さです。
Amazon のレビュー見ても、投稿サイト見ても、効果があったと言う人が沢山いるのです。
何をもって効果があったと判断するかは人それぞれだと思いますが、数日間または数週間で二の腕引き締まったとか、ウエスト細くなったとか、ヒップアップした・・・というコメントが沢山あったのです。でも、エクササイズの効果、ましてや、目に見えて分かるほどの効果って、そんな数日間や数週間ではまずないと思うのですけど・・・。(よほどの肥満の人は別として)
私、アマゾンのレビューと投稿サイトを見ながら、何度「マジかよっ!?」(さまぁ~ず三村風)と言ったことでしょう・・・。
本当に不思議でならないです。
Alfonsoさんの記事のコメント欄で、トレーシーは、マーケティングとブランディングの天才だと言っている人がいたけど、本当にそうだなと思いました!
デイリーメールの記事を読んで、他にも思ったことは沢山あるのですが、また時間あるときにでも書きたいと思います。
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by fitgirl
| 2014-06-04 22:37
| フィットネスあれこれ
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