2017年 09月 12日
母乳育児について2 |
前回の続きです。
出産後、母乳についていろいろ調べていたとき、母乳代用品(いわゆる粉ミルク)に関して、WHOコードというものが定められていることを知りました。
WHO コード:母乳代用品のマーケティングに関する国際規準
1. 消費者一般に対して、母乳代用品とその他の製品の宣伝・広告をしてはいけない
2. 母乳代用品と支給品を産院に寄付してはいけない
3. 母親に試供品を渡してはいけない
4. 保健医療施設で販売促進活動をしてはいけない
5. 企業の社員は母親に助言してはいけない
6. 保健医療従事者に贈り物をしたり、試供品を個人的に提供してはいけない
7. 母親に乳児の栄養について教える時、企業によって支援を受けたり、提供されたような場所
や用具、教材を使用してはいけない
8. 製品のラベル(表示)には人工栄養を理想化するような赤ちゃんの写真や絵、その他の写真
や絵を使用してはいけない
9. 保健医療従事者への情報は、科学的で事実に基づいていなければいけない
10. ラベル(表示)を含む人工栄養法に関する情報は、母乳だけで育てることの利点と人工栄養
法に関連した費用や危険性について説明すべきである
11. 不適切な製品、例えば加糖練乳(コンデンスミルク)を乳児用に販売促進してはいけない
この国際基準は1981年に策定され、日本はWHO加盟国だが、このときは日本は棄権し、その後1994年に承認。しかし、実際には法的なしばりがあるわけではないので、この基準は守られてはいないのが実情。私も、産後の入院中に病院内の売店で買い物をしたら、粉ミルクの試供品をもらいました。あの売店は外部委託なのかな?病院から直接ではなくともワンクッションおく形で試供品が渡されました。きっとこういう病院は他にもあるのだと思います。
WHOコードを見ると、人工乳を良からぬものとイメージしがちですが、そうではなく、何らかの事情で母乳を与えられない場合に必要なものです。ただ、母乳は一度止めてしまったら復活させることが困難なので、母乳をやめて人工乳にする場合は慎重になった方がいいのは確かです。しかし、とある公立病院の産科で、退院前に乳業メーカーの営業担当者が調乳の講習会を開いて、そこでヘンに洗脳されてしまったお母さんが、母乳が出てるのにもかかわらず早々ミルクにしてしまった例があった、というのをネットで見て驚愕しました。
次に私が気になったのがフォローアップミルクについてです。フォローアップミルクは9か月以降に飲ませるミルクとなっています。ただし、このフォローアップミルクは必要というものではないので、人工乳の場合でも切り替えなければならないというわけではない。ところが、9か月になったら通常のミルクから切り替えるものと誤って認識されていることが多いようです。また、フォローアップミルクは母乳代替食品には含まれないため、いわゆる粉ミルクには含まれている亜鉛塩類、銅塩類の添加が認められていない。WHO でも食品と位置付けられている。
1990年に日本小児栄養消化器病学会の乳児栄養委員会は「フォローアップミルクは必要ない」と提言を出している。厚労省の授乳・離乳のガイドには「フォローアップミルクは、母乳または育児用ミルクの代替品ではない。必要に応じて(離乳食が順調に進まず、鉄の不足のリスクが高い場合など)使用するのであれば、9か月以降とする。」と書かれている。ただ、識者の意見でも、鉄分が不足している場合でも通常の粉ミルクで十分というのも多数あり、私もそうだなと思いました。
そして、フォローアップミルクの誤った認識について、次のように書いてある論文がありました。
「これは小児栄養の要請がなく,商業的に製造され「離乳期用の粉乳」というキャッチフレーズのもとに意図的に「離乳期になったら用いるもの」と養育者に思い込ませた結果である.」(注7より抜粋)
この論文が発表されたのは1994年と少し古いのですが、今もこの現状は変わっていないのではと思います。結局は、マーケティングに惑わされてるだけではないかと。
それで、ふと思ったんです。この状況って、トクホや機能性表示食品と同じだなと。企業側はキャッチーな宣伝文を付けてただ売りたいだけなんじゃないかと思いました。
ネット社会の現代では、妊娠、出産、育児、どれに関する情報も膨大で、どれが正しいのかを見極めるのが難しいです。しかも、医学の進歩にともなって、情報はどんどんアップデートされていきます。母子手帳の内容も昔と今では大きく違います。昔は推奨されていたことが今ではNGになっていたりするから、今よしとされてることが数年後にはダメとなっているかもしれない・・・。なので、日々アンテナを張っていたいと思います。
注)役に立ったサイト、参考になったサイト
6日本小児科学会栄養委員会報告(フォローアップミルクについての箇所)
by fitgirl
| 2017-09-12 22:49
| 育児
|
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Comments(8)
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佐々木
at 2017-09-15 09:28
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こんにちは。
長い間、モチベを与えてくださったFG様なので、子育て情報を一つ。
ツイッターで他の意識のある女性と話題になったのですが、腸の研究家の藤田紘一郎さんという方がいて、ご存知でしょうか、『腸内革命』の著者です。
それで藤田さんによると、、、
赤ちゃんが、指とかいろんなものをペロペロするのは、そうすることで自分の腸内細菌フローラを少しずつ形成しているそうです。で、それを無理に阻害して潔癖に育てると自己免疫疾患や様々な障害となって後々顕在してしまうそうです。
本来は感染力の非常に弱いO157に感染して重症化しり死亡したりした小学生も背景を調査すると全員が「裕福な家庭で育った長子」で、アレルギー体質になるのも「過干渉な環境で育った長子」というのが分析で明白だということです。
どうやら赤ちゃんのペロペロはある程度させておいた方が良さそうです。
研究熱心なFG様なので蛇足かもしれませんが情報共有します。
長い間、モチベを与えてくださったFG様なので、子育て情報を一つ。
ツイッターで他の意識のある女性と話題になったのですが、腸の研究家の藤田紘一郎さんという方がいて、ご存知でしょうか、『腸内革命』の著者です。
それで藤田さんによると、、、
赤ちゃんが、指とかいろんなものをペロペロするのは、そうすることで自分の腸内細菌フローラを少しずつ形成しているそうです。で、それを無理に阻害して潔癖に育てると自己免疫疾患や様々な障害となって後々顕在してしまうそうです。
本来は感染力の非常に弱いO157に感染して重症化しり死亡したりした小学生も背景を調査すると全員が「裕福な家庭で育った長子」で、アレルギー体質になるのも「過干渉な環境で育った長子」というのが分析で明白だということです。
どうやら赤ちゃんのペロペロはある程度させておいた方が良さそうです。
研究熱心なFG様なので蛇足かもしれませんが情報共有します。
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fitgirl at 2017-09-15 21:24
>佐々木さん
こんばんは。
舐めるのは赤ちゃんの本能なので自由に舐めさせてましたが、それが腸内環境にまで影響していたとは初耳でした!「腸内革命」、面白うそうなので図書館で予約しました。耳より情報、ありがとうございます。
それにしても、ツイッターでそんな素敵な方とお知り合いなのですね。うらやましいです!私はどうもSNSが苦手で、ツイッターも何をツイートすればいいかわからなくなりそうでやっていません・・・。(以前のアカウントはやめてしまったんですね)
アレルギーに関しては、衛生仮説というのを前に読んだことがあります。きれいすぎるのが良くないってやつです。私はズボラ人間なのでちょうどいいかなと思ってます(笑)
こんばんは。
舐めるのは赤ちゃんの本能なので自由に舐めさせてましたが、それが腸内環境にまで影響していたとは初耳でした!「腸内革命」、面白うそうなので図書館で予約しました。耳より情報、ありがとうございます。
それにしても、ツイッターでそんな素敵な方とお知り合いなのですね。うらやましいです!私はどうもSNSが苦手で、ツイッターも何をツイートすればいいかわからなくなりそうでやっていません・・・。(以前のアカウントはやめてしまったんですね)
アレルギーに関しては、衛生仮説というのを前に読んだことがあります。きれいすぎるのが良くないってやつです。私はズボラ人間なのでちょうどいいかなと思ってます(笑)
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まゆ
at 2017-09-19 23:36
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母乳について私も同じように学びました。私の周囲でも最初に粘り切れずミルクを始めてしまった故に赤ちゃんが吸わない→母乳が出ないというパターンの方いました。どんな方法でも選び直せないので選択する前に情報を十分に得ておきたいと思いました。ちなみに私は離乳食はしませんでした。一歳半のある日を境に子どもと母乳をやめて幼児食に。こちらも色々あるので、いっぱい調べるの良いと思います。
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fitgirl at 2017-09-21 19:39
>まゆさん
こんばんは!
母乳は最初は痛かったり辛い面もありますが根気よくあげるのが大切ですよね。私も出産前にもっといろいろ調べておばよかったなと思いました。まさか自分が乳腺炎等になるとは想像してなかったです(笑)
離乳食をしなかったというのは、もしかして西原式でしょうか!?ネットで少し垣間見たことがありますが、離乳にもいろんなスタイルがあるんですね!
こんばんは!
母乳は最初は痛かったり辛い面もありますが根気よくあげるのが大切ですよね。私も出産前にもっといろいろ調べておばよかったなと思いました。まさか自分が乳腺炎等になるとは想像してなかったです(笑)
離乳食をしなかったというのは、もしかして西原式でしょうか!?ネットで少し垣間見たことがありますが、離乳にもいろんなスタイルがあるんですね!
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まゆ
at 2017-09-21 20:13
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うちの息子は離乳食を食べなかったのですが病院で無理に食べさせることはないと言われて〜1歳で13キロあったからかもしれません。そろそろって親子で感じて1歳半ごろのある日にバイバイねーと。その日から柔らかごはんに煮魚に直ぐにお浸しや茹で野菜も食べてました。
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fitgirl at 2017-09-23 22:18
>まゆさん
こんばんは!
そういうことだったんですね!でも、1歳過ぎまで母乳でしっかり育てられたのはすごいですね!お子さんも食べる準備がしっかり整ったんでしょうね。離乳食も個人差が大きいからそれぞれストーリーがあるんですね!
こんばんは!
そういうことだったんですね!でも、1歳過ぎまで母乳でしっかり育てられたのはすごいですね!お子さんも食べる準備がしっかり整ったんでしょうね。離乳食も個人差が大きいからそれぞれストーリーがあるんですね!
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at 2017-09-26 09:25
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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fitgirl at 2017-09-26 21:50
>2017-09-26 09:25 非公開コメントさん
気持ちも切り替えられたということは、きっといいアドバイスだったんでしょうね。私は最近になって、なんかもう少し離乳食スローペースにすればよかったかなと思っていました。振り返ると、始めは焦っていた気がします・・・。
デッドリフトデビューするのですね!新しい種目は新鮮ですね。私も筋力はないです。。パワーは筋量とはまた別ものなので、気にせずがんばりましょう(^^)
気持ちも切り替えられたということは、きっといいアドバイスだったんでしょうね。私は最近になって、なんかもう少し離乳食スローペースにすればよかったかなと思っていました。振り返ると、始めは焦っていた気がします・・・。
デッドリフトデビューするのですね!新しい種目は新鮮ですね。私も筋力はないです。。パワーは筋量とはまた別ものなので、気にせずがんばりましょう(^^)